こんにちは!舞原(@MaibaraOfficial)です。
前回の続きで「英語の卒論の書き方③」を解説します。
(前回の記事↓)
前回の記事ではChapter 3: Methodologyの書き方について学びました。
(下記参照)
- Chapter 3: Methodology (方法)
- 3.1: Attributes of the Research (研究の特徴)
- 3.1.1: Research Philosophy (哲学)
- 3.1.2: Research Approach (研究アプローチ)
- 3.1.3: Research Strategy (研究戦略)
- 3.2: Data Collection (データ採集)
- 3.2.1.: Method of Data Collection (データ採集方法)
- 3.2.1: Interview Schedule (インタビュースケジュール)
- 3.2.3: Interview Participants (インタビュー協力者)
- 3.2.4: Pilot Study (インタビュー予行演習)
- 3.2.5: Interview Process (インタビューの流れ)
- 3.3: Data Analysis (データ分析)
- 3.4: Ethical Consideration (倫理)
- 3.1: Attributes of the Research (研究の特徴)
本記事ではChapter 4: Results (分析結果)以降を解説するので参考にしてくださいね。
目次
Chapter 4: Results (結果)
Chapter 4は「Results (研究の結果)」を書きます。
“Findings” とも言いますが、どちらでも構いません。
約2,000 wordsで以下のポイントを意識して書きましょう。
- Resultsの書くポイント
- 研究の結果だけを忠実に書くこと
ここでは、データを分析して出た結果だけを書きます。
分析結果から言える示唆や意見はここの章で絶対に言ってはいけません。
なぜなら、論理的にかつわかりやすい構成で書く必要があるからです。
私が行っていた大学院の卒論採点基準に「構成がよく整理され、論理的にかけているか」がありました。
なので、分析結果と考察がごっちゃになっていると、論理の飛躍があったり話が行ったり来たりするため高得点は狙えません。
Chapter で「Results」 と書いている以上、結果は結果、考察は考察で分けて書きましょう。
また、データ採集がインタビューの場合は、録音したインタビュー内容を文字起こしをして、使う部分だけをそのまま載せます。
その際、イタリック文字にしてダブルクォーテーションで抜粋してください。
インタビューを日本語で実施した場合、卒論にのせる部分だけを英訳しますよ。
文末にある数字はインタビュー協力者の番号です。
番号の詳細はAppendixにまとめましょう。
Chapter 5: Discussion (考察)
Chapter 5は「Discussion (考察)」 です。
ここでは「研究の結果から一体どんなことが言えるのか」をResearch Questionsの解答を含めながら書きましょう。
書く量は約2,000 words です。
- Discussionの構成
- General Discussion
- Limitations and Recommendations for Future Research
- Theoretical and Practical Implications
②と③は、Chapter 6: Conclusion に含めても構いません。
担当する教授の好みによって変わるでしょう。
僕の教授はDiscussionに含めろってうるさかった
General Discussion (考察)
1つ目が「General Discussion (考察)」です
ここでは、書くのを我慢していた研究結果に対する意見を書きましょう。
- General Discussionの書くポイント
- 先行研究を賛同・否定しながら書く
- 先行研究を賛同・否定した後にこの研究結果から言えることを書く
先行研究を賛同・否定しながら書く
ただ研究結果に対する意見を書けばいいという訳ではありません。
Literature Review ですでにまとめてある内容から「この著者が明らかにしたことは自分の研究でも明らかになった」や「この著者が明らかにしたことはこの研究では証明できなかった」を書いてください。
赤塗りがその例↓
私は先行研究を否定する研究結果は得られなかったので全て賛同しました。
導入部分は以下のような切り口で書けると良いでしょう。
- There are similarities between the finding and the study of 著者 (年号) which found that…
- The study has been able (or unable) to support (or deny) the research of 著者 (年号) which showed that…
- This finding is consistent with the study of 著者 (年号)
- This result reflects the study of 著者(年号)who also found that….
先行研究を賛同・否定した後にこの研究結果から言えることを書く
考察なので自分の意見も加えます。
導入部分は以下のような切り口で書けると良いでしょう。
- A possible explanation for this might be that…
導入部分の言い回しに困ったら以下のを参考にすると良いですよ。
論文や課題書いてるときにどんな言い回しで書けば良いか迷うと思うんだけどManchester大学が出してるAcademic Phrasebank がわかりやすいよ
— 舞原@院留学🇬🇧/外資IT (@MaibaraOfficial) January 16, 2021
シーンごとにカテゴリー分けされててその状況に合わせた色んなフレーズが載っている
以下のURL参考にしながら書くと良いhttps://t.co/yMQpzXTbm5 pic.twitter.com/8UF6JaEJhq
Limitations and Recommendations for Future Research (研究の欠点と将来の研究へ送る提案)
2つ目が「Limitations and Recommendations for Future Research (研究の欠点と将来の研究へ送る提案)」です。
ここでは以下の2点を記載します。
- Limitations
- Recommendations for Future Research
Limitations
Limitationsとは「この卒論で行った研究の欠点」を意味します。
そのため、研究で妥協した点や不適切だった点を理由を交えて書きましょう。
以下例では、サンプルサイズが小さい(取材協力者が少ない)ことやフォーカスした業界が少なすぎたことを書いてます。
Recommendations for Future Research
Limitations の欠点を補うために「将来の研究はこうした方がいい」という提案をしましょう。
この卒論の欠点であった、サンプル数の少なさと業界の狭さをカバーするよう提案していますね。
Theoretical and Practical Implications (理論的・実践的影響)
3つ目が「Theoretical and Practical Implications (理論的・実践的影響)」です。
ここでは、以下の2点を含めましょう。
- Theoretical Implications (理論的影響)
- Practical Implications (実際的影響)
Theoretical Implications
Theoretical Implications では以下の点を書きます。
- Theoretical Implicationsの書くポイント
- 新しい理論やモデルが生まれた
- 既存の理論・モデルが捕捉されるような研究結果だった
- 既存の理論・モデルを否定するような研究結果だった
例えば、「ダーウィンの進化論という理論はこの研究で実は間違っていることが判明した」は Theoretical Implicationです。
以下は実例↓
理論的影響が書けたら、次にPractical Implicationsを書きます。
Practical Implications
Practical Implicationsでは「実際にある事に対してこうした方がもっと良い状況になるのではないか」を書きます。
例えば、ビジネスシーンだとマネージャーはこの方法を採用をすればもっと組織がより良くまとまるとかですね。
以下は実例↓
Chapter 6: Conclusion (終章)
「Chapter 6: Conclusion (終章)」です。
ここでは、卒論のまとめを書きましょう。
700〜1,000wordsで以下の内容を書きます。
- Conclusionの構成
- A Review of the Study Aim and Objectives
- Synthesis of the Main Findings
また、以下の点に注意して書いてください。
- Conclusionの書くポイント
- Chapter 6以前に述べてない意見や考え(先行研究レビューも含め)を加えないこと
Conclusionはあくまで要約を書き卒論のまとめを書くことが目的なので新しいアイデアを書いてはいけませんよ。
A Review of the Study Aim and Objectives (目標のおさらい)
1つ目が「A Reveiw of the Aim and Objectives (目標のおさらい)」です。
ここでは設定した目標をもう一度確認することが目的です。
卒論と言っても誰かに見てもらう訳なので、読み手ファーストで書かなくてはなりません。
読者がストレスなく読めるようにしましょう。
- A Reveiw of the Aim and Objectivesで書く内容
- Research Question(s) を定義することになった背景
- Aimとそれを設定した理由
- Objectives とそれを設定した理由
Synthesis of the Main Findings (研究結果のまとめ)
2つ目が「Synthesis of the Main Findings (研究結果のまとめ)」です。
ここではメインの研究結果を書きそこから何が言えるかを書きましょう。
研究で発見できた結果は複数あると思うので、以下のような構成で書きます。
- Synthesis of the Main Findingsの構成例
- Firstly, xxxxx
- Secondly, xxxxx
- And lastly, xxxxx
- Taken together, xxxxx
References (参考文献)
全て書き終えたら次は「References (参考文献)」です。
ここでは卒論を書くにあたって、参考にし引用文として使った文献を書きましょう。
- Referencesの書くポイント
- アルファベット順に書く
- 大学が指定するスタイルに合わせる
アルファベット順に書く
1つ目が「アルファベット順に書く」です。
著者の苗字を基準に揃えましょう。
その際に、「苗字, 名前イニシャル. 」の順で一つひとつ参考文献を書きます。
例:Paul Smith = Smith, P.
ミドルネームを保持する著者の場合は「苗字, 名前イニシャル. ミドルネームイニシャル」ですよ。
例:Paul D. Smith = Smith, P. D.
大学が指定するスタイルに合わせる
2つ目が「大学が指定するスタイルに合わせる」です。
Referencesに書くスタイルは大学によって異なります。
Chicago style や Vancouver Style, Harvard Style など色々ありますよ。
私の通っていたリーズ大学では、Leeds Harvard Style でReferencesを書くよう指示されました。
(以下は参考までに)
- Family name, INITIAL(S). Year. Title of article. Journal Title. Volume(issue number), page numbers.
- Crant, J. M. 2000. Proactive behavior in organizations. Journal of Management, 26(3), pp. 435-462.
参考:Leeds Harvard referencing examples
これは各大学によって変わってくるので、留学する大学のReference guide をご覧ください。
Appendices (巻末に付ける付録)
最後にやることは「Appendices 」の整理です。
ここでは卒論の文中に載せられなかった、図やインタビューの質問リストなどを載せます。
卒論によって載せる内容が変わるので以下は参考までに。
最後に
最後までご覧いただきありがとうございました。
Chapter 4 Results (結果)以降の卒論の書き方を解説しました。以下は要約です。
- Chapter 4: Results (結果)
- 4.1 ~ 研究の結果を書く
- Chapter 5: Discussion (考察)
- 5.1: General Discussion (考察)
- 5.2: Limitations and Recommendations for Future Research (研究の欠点と将来の研究へ送る提案)
- 5.3: Theoritical and Practical Implications (理論的・実践的影響)
- Chapter 6: Conclusion (終章)
- 6.1: A Review of the Study Aim and Objectives (目的と目標のおさらい)
- 6.2: Synthesis of the Main Findings (研究結果のまとめ)
- References (参考文献)
- Appendices (巻末に付ける付録)
準備編を含めると4部構成になりましたが、ご参考になったら本当に嬉しいです!
書き終わったらちゃんと何回も見直ししてくださいね。
英語の卒論を書く際に意識したいポイントも役に立ちます。
それでは!