こんにちは!舞原(@MaibaraOfficial)です。
前回の続きで「英語の卒論の書き方①」を解説します。
(前回の記事↓)
私はイギリス大学院留学中、卒論の書き方を講義やワークショップを通じて学びしっかり書き上げました。
イギリス大学院留学で1番感動するとこ
— 舞原@院留学🇬🇧/外資IT (@MaibaraOfficial) August 18, 2020
修論は指定の無機質なボックスに入れるんだけど、これを入れてしまったらもう何もすることなくなるから悲しくなる瞬間でもある
ちなみに締切日は並ぶらしい pic.twitter.com/lpIoHBTj3a
この経験から、英語の卒論の書き方をわかりやすく解説するのでぜひ参考にしてくださいね。
(本記事ではLiterature Reviewまでの章を解説します)
目次
英語卒論の構成
英語卒論の構成は以下の感じです。
- Title
- Acknowledgement (謝辞)
- Abstract (要約)
- Table of Contents (目次)
- Chapter 1: Introduction (序章)
- 1.1: Background (背景)
- 1.2: Research Aim and Objectives (目標)
- 1.3: The structure of the Dissertation (構成)
- Chapter 2: Literature Review (文献レビュー)
- 2.1 ~ トピックに関連したことを
- 2.n: Research Questions (問題定義)
- Chapter 3: Methodology (方法)
- 3.1: Attributes of the Research (研究の特徴)
- 3.1.1: Research Philosophy (哲学)
- 3.1.2: Research Approach (研究アプローチ)
- 3.1.3: Research Strategy (研究戦略)
- 3.2: Data Collection (データ採集)
- 3.2.1.: Method of Data Collection (データ採集方法)
- 3.2.1: Interview Schedule (インタビュースケジュール)
- 3.2.3: Interview Participants (インタビュー協力者)
- 3.2.4: Pilot Study (インタビュー予行演習)
- 3.2.5: Interview Process (インタビューの流れ)
- 3.3: Data Analysis (データ分析)
- 3.4: Ethical Consideration (倫理)
- 3.1: Attributes of the Research (研究の特徴)
- Chapter 4: Results (結果)
- 4.1 ~ 研究の結果を書く
- Chapter 5: Discussion (考察)
- 5.1: General Discussion (考察)
- 5.2: Limitations and Recommendations for Future Research (研究の欠点と将来の研究へ送る提案)
- 5.3: Theoritical and Practical Implications (理論的・実践的影響)
- Chapter 6: Conclusion (終章)
- 6.1: A Review of the Study Aim and Objectives (目的と目標のおさらい)
- 6.2: Synthesis of the Main Findings (研究結果のまとめ)
- References (参考文献)
- Appendices (巻末に付ける付録)
また、各Chapter の最初の段落で「そのChapter で何を書くのか」軽く説明しましょう。
(書かないと教授に言われます)
以下はその例です。
Introduction章の前に書くこと
Introduction章の前には以下の4つを含めましょう。
- Introduction章の前に書くこと
- Title
- Acknowledgement
- Abstract
- Table of contents
(2つ目の「Acknowledgement (謝辞)」は書かなくても可)
Title
1つ目が「Title」です。
「この卒論が何について書いてあるか」を示す重要な要素ですね。
当たり前ですが表紙の上に書きます。
気をつける点は、読者が一目で何の論文かわかるようにすること。
そのためには、以下の点を意識してTitleを付けましょう。
- Titleで意識する点
- メインのキーワード
- 何(誰)を対象に研究したのか
- どこを研究したのか
私の卒論のTitleを例に見ると、以下のことがまとめられています。
- Titleで意識する点
- メインのキーワード
- Job Crafting
- 何(誰)を対象に研究したのか
- 2〜3年目の若手社員
- どこを研究したのか
- 日本の組織環境
- メインのキーワード
上記を見ると、何について書かれた卒論なのか一目でわかるのではないでしょうか。
Acknowledgement (謝辞)
2つ目が「Acknowledgement (謝辞)」です。
研究に携わった人たちに感謝の気持ちを告げる項目ですね。
これは審査に関係ないので必ずしも書く必要はないですが、書いておいた方が無難でしょう。
理由は、最終的に卒論の評価をするのは、3人の審査官とあなたをサポートしてくれた教授のため、謝辞の記載があると評価が甘くなるかもしれないからです。
審査官も人間なので感謝しといて損はないでしょう。
書く量は3,4行で十分です。
Abstract (要約)
3つ目が「Abstract (要約)」です。
この卒論の内容を簡単にまとめた文を指します。
文字数は250 ~ 300 words くらいで十分でしょう。
- Abstractに含める内容
- 背景
- その背景から何を明らかにする必要があるのか(何を研究するか)
- 研究方法
- 研究結果
- 研究結果の考察
- 将来行う研究へ送る提案
見やすいよう色分けしてます。
Abstractは卒論を書き終わった後じゃないと書けないので、書き始めの段階ではひとまずスルーしましょう。
Table of contents (目次)
4つ目が「Table of Contents (目次)」です。
どのページに何が書かれているのか読者にわかるよう書きましょう。
Chapter 1: Introduction (序章)
Chapter 1ではIntroduction(序章)を書きます。
1,000 ~ 1,200 words で以下の3つを書きましょう。
- Introductionの構成
- Background (700 ~ 800 words)
- Research Aim and Objectives (約 200 words )
- The Structure of the Dissertation (約 200 words)
Background (背景)
1つ目が「Background (背景)」です。
背景、つまりなぜこのResearch Questions (問題定義)にしたのかを書きましょう。
例えば、私の卒論だと
「Job Craftingは日本の会社の組織環境にも合うのか?」
がResearch Questionsで、これを問題定義にした理由を以下の流れで解説します。
- Research Questionsの設定理由
- Job Craftingが何かを説明
- Job Craftingが効果的な手法だと色んな研究論文で明らかになってることを書く
- けど日本の組織環境には合うかどうか明らかにした論文がない!
- じゃJob Craftingって必ずしも効果的な手法かどうかわからないじゃん!
- じゃ私がそれを研究する!
設定したResearch Questionsを基に卒論を書くべき理由が伝わるのではないでしょうか。
ポイントは、③のようなあることを対象にした論文が少ないとか、ある論文の研究法には欠点があるなど批判的に書けるとこの卒論を書く必要性が伝わります。
Backgroundは、Literature Review の要約に近いことを書くため、Chapter 2 のLiterature Reviewが終わった後に書いた方がやりやすいですよ。
Research Aim and Objectives (研究目標)
2つ目が「Research Aim and Objectives (研究目標)」です
“Aim” と “Objectives” の明確な違いが無いので説明が難しいですが、Aim が最終的な目標でObjectives がAimを達成するための目標のイメージです。
Objectives は、Aim を達成するために絶対に明らかにしなくてはならないことを3つくらい設定しましょう。
私の卒論のケースだと、
- Aim:
- identify if job crafting is a beneficial approach in Japanese organisational contexts. (ジョブクラフティングが日本の組織環境に置いて効果的なアプローチか明らかにする)
そして、このAimを明らかにするために必要な「知るべきこと」をObjectives に設定します。
- Objectives:
- clarify major obstacles to job crafting of low-rank employees and why (若手社員が行うジョブクラフティングの障壁は何か)
- reveal how the employees find opportunities for job crafting (その社員はどのようにしてジョブクラフティングを行う機会を見つけているか)
- identify how job crafting behaviour of the employees is facilitated (若手社員のジョブクラフティングはどのように促されているか)
以上の3つが明らかになれば、Aimもはっきりするでしょう。
また、なぜこのAimとObjectives なのか、理由も加えて書きます。
以下のように5,6行で書けば問題ないですよ。
最初に理由を説明して、次にAim と Objectives を書きましょう。
The Structure of the Dissertation (卒論の構成)
3つ目が「The Structure of the Dissertation (卒論の構成)」です。
ここは、Chapter 1 〜 Chapter 6 までの内容を全て紹介して終わりですよ。
あまり難しく考えず、各章の説明を書いちゃってください。
Chapter 2: Literature Review (文献レビュー)
Chapter 2は 「 Literature Review (文献レビュー) 」です。
Literature Reviewでは、先行研究ですでに明らかになってることやまだ解明されてないことを述べましょう。
また、先行研究でダメな部分を批判もします。
(例えばアンケート調査はこの研究に不適切とか)
これを大体3,000 wordsで書きますよ。
- Literature Reviewの構成
- 卒論のテーマに関連したことを書く
- Research Questions
卒論のテーマに関連したことを書く
1つ目が「卒論のテーマに関連したことを書く」です。
卒論のテーマに関連したことを書くため、卒論タイトルにあるキーワードに関係することをひたすら調べて書きましょう。
また、設定したAim と Objectives を達成するのに必要な知識を整理するためでもあります。
私の卒論の場合、
- Aim:
- identify if job crafting is a beneficial approach in Japanese organisational contexts. (ジョブクラフティングが日本の組織環境に置いて効果的なアプローチか明らかにする)
- Objectives:
- clarify major obstacles to job crafting of low-rank employees and why (若手社員が行うジョブクラフティングの障壁は何か)
- reveal how the employees find opportunities for job crafting (その社員はどのようにしてジョブクラフティングを行う機会を見つけているか)
- identify how job crafting behaviour of the employees is facilitated (若手社員のジョブクラフティングはどのように促されているか)
なので、Literature Review に以下の内容が盛り込まれていると良いでしょう。
- Job crafting について(障壁や効果的なアプローチである理由など)
- 組織的ヒエラルキー(特に下層部分)の役割(若手社員に焦点を当てるため)
- 組織内にある行動が容易にされる要因(ジョブクラフティングがどのように促されているか知るため)
- 日本の組織環境について(日本の会社に焦点を当てるため)
これらをまとめるにかなりの量の論文を読み込みますが、、、頑張ってください。
(無料の論文検索サイトまとめ貼っておきます)
さて、ここまで書けば「AIm と Objectives を達成するために一体何を元に研究すればいいのか」鮮明になりましたね。
つまり、問題定義を設定できます。
Research Questions (問題定義)
2つ目が「Research Questions (問題定義)です。
卒論を書き進める上で最も重要なパートでしょう。
なぜなら、問題定義がないとこの卒論は一体何を明らかにしたいのか分からず評価のしようがないですよね。
問題定義は、先行研究レビューを受けて未だ解明されていないことや、Aim と Objectives を達成するために明らかにしたいことを設定しましょう。
問題定義は、Literature Review の後に書きますよ。
最後に
最後までご覧いただきありがとうございました。
Literature Reviewの章まで卒論の書き方を解説しました。
- Title
- Acknowledgement (謝辞)
- Abstract (要約)
- Table of Contents (目次)
- Chapter 1: Introduction (序章)
- 1.1: Background (背景)
- 1.2: Research Aim and Objectives (目標)
- 1.3: The structure of the Dissertation (構成)
- Chapter 2: Literature Review (文献レビュー)
- 2.1 ~ トピックに関連したことを
- 2.n: Research Questions (問題定義)
次の章であるChapter 3 Methodology (方法)は以下の記事にまとめてます。
英語論文書く際に意識したいポイントは以下の記事にまとめてますよ。
それでは!